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夏都は初めて会った日から何も変わらなかった。 いつも私の側にいて、いつも笑顔で私を見てくれていた。たまにはケンカもしたけどね。 だけど私は変わった。夏都と一緒にいると変わっていくんだ。 可笑しくって今でも忘れられない、付き合って間もない頃の夏都との会話__。 「水樹、濃い」 「なにが?」 「化粧」 「は?濃くないよ。普通だよ」 「水樹は自分の事を全然分かってないよ。外見なんて飾らなくてもいい。お洒落がしたいならそれでも良いけど、化粧で自分を誤魔化す必要なんて無いんだよ。水樹はナチュラルメイクでも十分なんだから」 あの一言には参ったな。私はメイクに自信があったからね。 だってそうじゃない?十八の時からスナックでバイトしてたんだよ? それを夏都は簡単に否定したんだから。 でも、夏都は知っていたんじゃないかな。私が外見だけで生きてきたって。だから中身も大事にして欲しいって。夏都は本当の私を見たかったんじゃないのかな。 そして、たぶん私は本当の自分になれたんだと思う__。
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