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第一章
テッテレレレンテレテレテン
最近よくこの曲を聴く。
確か、結構可愛いアイドルが出てるCMかなんかの曲だったような‥‥?
「彰人!!早く起きなさい!遅刻するよ!」
母の声が一階から聞こえてきた。
相変わらず、よく通る声だ。
僕は、大きく伸びをして、体を眠りから覚ます。
最近は寒くなってきたので、ベットの近くに置いてあった、靴下を履き、下へ降りる。
そういえば、これ、昨日はいたような、、、?
まあ細かいことは気にせず、朝ごはんを貪る。
テレビ画面の左上を見るともうすでに8時を回っていた。
牛乳で残りを口の中へかきこんだ。
そして、玄関に置いてあるバックを手に、家を出た。
中学の頃は家から学校まで、近かったので、8時過ぎに出ても余裕で間に合った。なんなら8時半に出ても、授業が始まる8時40分に間に合うくらいだ。
でも高校となるとそうはいかない。
チャリ通の僕は、サドルに勢いよくまたがり全力でこぐ。
途中の信号を軽く無視して、その勢いのまま坂をグングン下っていく。
そして、急にブレーキをかけ足を止めた。
どんなに急いでいてもこれだけは欠かさない。
僕は『佐々木家』と彫ってある墓石のとこまで歩いた。
そして、数秒ほど拝んだあと、再びサドルに飛び乗り、漕ぎまくる。
墓場というのは、冬の寒いときにも、夏の暑いときにも、温度が一定に保たれているような気がする。どことなく、寒いような、でも決して凍えるような寒さではないが、
そんな空気はまるで幽霊がここにいるということを主張しているようにも感じる。
まあ、だからなんだよという話だけど‥‥、
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