第二章

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第二章

風呂からあがり、すっかり体はさっぱりした。 が、どうしても頭の方はさっぱりしない。 再び、例の段ボールを出してみる。 スイッチを取り、まじまじと見てみる。 妙に重厚感があるのがリアリティを漂わす。 だが、やはり試す気にはなれない。 「明日あたり、安田に試してもらおうかなぁ」 独り言をつぶやいてみる。 そして、スイッチを床に置き新聞紙に包み直そうとしたそのときだった、 「おにーちゃん!僕のケータイ知らない??」 弟が勢いよくドアを開けた。 そのときの僕の位置が悪かった。 ドアノブが僕の頭に当たり思わず床に手をついた。 「っ‥‥!痛いな!ノックぐらいしろよ!」 すると、弟が不思議そうな顔で言う。 「お兄ちゃん、それなぁに?」 指を指した方向は僕の‥‥‥右手? そういえば嫌な感触がしたとは思った。 おそらく自然と知らぬふりをしていたのだが、弟の言葉で正気に戻った。 確かに僕は押していた‥‥‥、スイッチを‥‥! 「しまった」と思うよりも先かそれとも後か? 僕は気を失った。
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