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部屋の中へと入って行くとそこには天蓋付きの大きなベットが置いてありその上には白を基調としたフリルが多めの花嫁ドレスを着た雪花が何かを憂う様に座っていた
そして俺達が側に行くとそれに気付いたのか此方を見て優しく微笑みながら
「…オルガ、来てくれたんだ…っ、」
と言って急に泣き出した
それに対し俺は咄嗟に雪花を抱き締めた
そしてゆっくりと雪花の頭を撫で
「大丈夫だ…俺達二人が来たからにはお前を絶対に奴から解放してみせる」
と囁いた
すると雪花は何かに驚いた様に雷花の方を見た
「じゃあ、他の皆は…、」
何かを言い掛けたが直ぐに口を閉じてしまった
原因を探る為周りを見渡すと扉の前に4枚の黒い羽根を持った女性が立っていた
「おやおや…駄目じゃないか。勝手に入って来ては…のう?オルガよ」
その女性…妖火は紅い扇を口に当てながらそう俺に言ってきた
その言葉に返答を返す前にある事に気付いた
「お言葉だが、妖火…魔王に対してもそんな事を言えるのか?」
その言葉の意味に気付いたのか妖火が後ろを振り向く…そこには明殊が立っていた
「キミ達…私を邪険にして何を楽しんでいる?」
明殊は笑顔で俺達に対しそう言い放つが目が笑っていなかった
多分俺達が城へと侵入して来たのに対し怒っているようだ
「…まあ、良い…もう楽しむ事は出来無いのだからな」
続けて明殊はそう言うと一つの丸い水晶を取り出した
その水晶にはある映像が映っていた
「なっ…、テメーっ…コイツらをどうする気だ!?」
映っていたのは牢屋に入れられたルシファー達だった
あの後明殊が片っ端から捕まえたのだろう
俺達がじっと水晶を見つめていると明殊が片手をその水晶へと添えると
「どうするも何も…キミ達の行動次第かな?大人しく彼女を私に差し出しなさい。でないと…」
と言いながらその手を軽く握る
すると麻友花が胸を抑え苦しみ始めた
「っ、麻友花に何をしたの!?」
一番先に声を発したのは雪花でありその声には怒りと驚きが混じっていた
雪花のそんな言葉に明殊は不敵な笑みを浮かべていたのだった
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