再会と罠

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ーーーー 雪花の言葉に不敵な笑みを浮かべながら明殊は 「勿論この者達に呪(シュ)を掛けたのだ。解いて欲しいのならば雪花を私に寄越すのだ」 と答え握っていた手を一度だけ解いた 「…っ、」 要求を断ればきっとまたさっきの事を繰り返すのだろう…俺は答えを出さずにじっと明殊を見詰める すると妖火がこちらをキツく睨み 「これには断らぬ事が賢明ですわ…それともこの者達の死を選びますか?」 と雪花を渡すよう忠告を混ぜ促して来た 雪花は咄嗟に俺の服の袖をギュッと摘み半泣きになっていた 泣き顔も可愛っ…じゃないやそれどころでは無かった 俺はさりげなく雪花の手を握り 「…断ると言ったら本当にそうするのか?」 と余裕な笑顔でそう言ってみた その行動に雪花は驚きと恥ずかしさで赤面、雷花は呆れ顔、そして妖火は扇を口に当て苦笑いで溜息を…そして肝心の明殊は 「勿論やりますよ?…さあ雪花こちらへと来なさい。心と身体を私に差し出すのです」 と笑顔(目は笑ってはいない)で雪花の方へ手を差し出しながら答えた やはりコイツは本気か…後は雪花の心境だけか… 「勿論嫌です!!そんな悪い奴に力を貸す程落ちぶれてなんかいません!!!」 雪花の答えを待っていると直ぐに大きな声でハッキリと明殊に断りの言葉を口にした その返事に対し急に明殊は額に右手を当て笑い出した 「ふ、フフフ…そうですか。あくまで私ではなく彼を選びますか…」 そして魔力を右手へと込める それを見た瞬間妖火が慌てた様子で明殊へと駆け寄り止めようと魔封じの呪文を唱える ーだがその行動は遅かったようで魔力を半分程しか抑える事が出来なかった むしろそれで良かったのかもしれない…何故ならば一人だけー捕まってはいないのだから 「草木よ我に魔を退ける力を'グリーンマジック'!!」 何処からか呪文を唱える声が聞こえたと思うと次の瞬間俺達と明殊の間に魔法陣が現れ大きい植物で出来た魔除けの結界が出て来た それは明殊が放った魔力の塊を吸水すると一つの大きな光となり宿主へと戻って行く…そしてその宿主は 「…お待たせした。緑の悪魔一葉、助太刀する」 ―そう一葉である 「あらあら…四天悪魔のメンバーがもう二人も反逆者になってしまったのですか?…あの時の繰り返しですわね」 それを見てさっきまで慌てていた筈の妖火が落ち着きを取り戻し憂鬱気味にそう言い放ったのだった ーーーー
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