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妖火の魔の手を逃れた私は無事にあの娘が居る部屋へと着く事が出来た
丁度その時だった。
魔王である明殊が魔力の塊をオルガ達へと放ったのは。
私は咄嗟に魔法陣を魔王とオルガ達の間へと展開させ魔力を糧とする魔草の木を召喚させる
妖火が魔力の暴走を恐れ魔封じの呪いの呪文を掛けてくれていたお陰か弱っていた魔力を無事に吸収する事が出来た
そしてその魔力は私とシンクロされ自分の魔力の一部となった
それを見た妖火は私に対し邪魔者を見る目を向け先程の言葉である
「…裏切り者とは心外ですね、私はただ契約した者に従っているだけですよ」
私はそれに平然と答える
…そう私は悪魔でありそれ故に契約者の願いを常に優先させなければいけない。だから今は麻友花の願いである雪花の安全を守っているのだ
私はそっと雪花の方へと視線を向けると彼女はしっかりとオルガの胸に抱かれていた
さらにその周りにはオルガによって結界が張られていたので私は少し安心した…そして嫉妬をしていた
…そんな思いも束の間、妖火の方から魔力を感じ取った
思わず私は防御結界を張ったがそれは無駄な事だった
何故なら妖火は笑っていたのだ…優しく
魔力の正体は彼女の手にある扇から放たれているものだった
「…おっと、イケないわ。つい驚いて笑ってしまいましたわ…でも攻撃には手を抜くことは出来ませんわ」
そしてそう言うと魔力を放つ扇を上へとなげた
「'King of Dokuogi'ー影扇の王シャドウー」
妖火はそれから呪文を唱えるーすると扇から黒いモヤが出て来た
そのモヤは一点に集まり人型へと姿を変えた
「この子は影の使い魔。そして今は先代の緑葉(リョクハ)の姿を模しているわ」
緑葉ーつまり先代の緑の悪魔の姿をしているらしい影はそっくりなその顔で私をしっかりと見つめていた
私はそれに対し苛立ちを憶えた
「…人の親の姿を勝手に使いーしかもそれを戦闘に使う…相変わらず趣味が悪い」
そしてつい妖火に向かってそう言ってしまい妖火はそれにクククッと笑い
「やはり貴方はあの緑葉の息子でしたのね…では遠慮無く攻撃出来るわね」
と周りに聴こえるように呟きこちへと攻撃を仕掛けるよう手で使い魔へと命令したのだった
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