置物

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陛下が座る脇には、白い布に包まれた何かが置いてあった。 「それは一体何ですか?」 悪い予感しかしなかった北斗は、受けとるとは言わず何かを確認しようとした。 「御使い様の足の小指を守るための物です。魔法をかけない以上、安全の為にもお使い下さい」 どうしても引かぬ意思を見せる国王陛下。北斗は仕方なく受けとる事にした。 「さ、さ、布を引いてくだされ」 同席していた大臣がせかす。彼はこれが何かを知っているようだ。 「変な物じゃありませんように。………南無三!」 覚悟を決めた北斗が布を引く。出てきた代物は、決して変な物ではなかった。 外見だけで言えば、地球にも存在している物であり、この世界でも普通にある物であった。 「これを、どうしろと?」 「是非、御使い様にお使い頂きたい」 布から出てきた物、全身鎧を見て途方に暮れる北斗。 中世ヨーロッパの重騎士が使っていた物を思い浮かべていただければ、大体正解である。 頭の先から爪先まで、白銀に輝く金属が覆うようになっている鎧である。 しかしこの鎧、どう見ても材料は鉄や鋼ではない。
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