選択肢は有るようで無い

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「その場合はお呼びしたあの瞬間にお戻り願います」 どうやら、断った場合はこの場での事は完全に無かった事になるようだ。 「あの瞬間って、酷い頭痛に襲われて意識を失ったんですが助かるんですか?」 「えーっと、お主はあの後更なる痛みに襲われながら治療の甲斐もなく………」 手元のタブレットを操作しながら答える老人。どうやら、断り次第ご臨終らしい。御愁傷様です。 「じゃが、すぐに地球に転生するぞい。しかも今世の記憶を持ち越しての」 「えっ、今の記憶を持ち越して転生?下手に異世界行くよりそっちの方が………」 体は子供、記憶は大人のチート状態に期待を膨らませる北斗。しかし、世の中そんなに甘くない。 「次はリュウグウノツカイに転生じゃの」 「ちょっと家が暗いかもしれないけど、レアな種族引き当てたわね」 確かにレアではあるが、人間の記憶をもって深海魚に転生する事が幸せだろうか。 「転生先って深海魚かよ!嫌に決まってるわ!」 「そうは言うが、生き物の比率を考えれば人間なんか少ないからのぅ」 「そんな贅沢言われてもねぇ」
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