選択肢は有るようで無い

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「ちょっ、お約束って奴ですかぁぁぁぁぁ!」 ドップラー効果を残して落ちていく北斗。こればっかりは異世界ものの主人公の宿命である。諦めてほしい。 「ふむ、これで一安心かのぅ」 「ですね。彼に与えた能力をもってすれば………」 女神の頬に汗が一筋流れる。 「あら、私、彼に何の能力あげましたっけ?」 「うん?そりゃあ………あげた、か?」 そう、女神と神様は心変わりする前にと急いで転移させたためチート能力を与えるのを忘れていた。 「まあ、何とかなるわよね」 「基本平和なはずだから、大丈夫じゃろう。もう手出し出来んしな」 異世界転移を終了した北斗に、2柱の神は何も出来ない。それが世界の決まりなのだ。 「一応手紙は書いておきましょう」 「そうじゃな。誠意は見せておかんとな」 女神は手紙を創造すると小さくなっていく穴へと投げ入れた。 「世界、助かるといいのぅ」 「助かって欲しいわねぇ」 間抜けな女神のせいでチート無しで異世界に放り出された北斗。 果たして彼は異世界で生き残る事が出来るのであろうか。
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