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一人でぼうっとしていると、後ろから砂利を踏む音が聞こえた。
「……久しぶりだね、理緒ちゃん」
黒縁眼鏡をかけた60代手前くらいの男性が、柔和な笑顔を携えてこっちに歩いてくる。
「………神主さん」
聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声だったのにもかかわらず、神主さんはよりいっそう笑みを深めた。
「すごい久しぶりだね。最後に会ったのほ高校に入学した日だったっけ?」
「夏休みは会ってないし、お正月も会えてないから……そうなりますね」
「てことは、1年くらい理緒ちゃんに会ってなかったってことだね……あぁ、だからこんなにも懐かしく思うのか……」
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