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満足するよりも俺は、どうしたら一都をこのまま繋ぎとめておけるのか、日々考えている。
もし――目に見えぬ鎖があるなら、それで一都を繋いでおきたい。
一度入ったら出られぬ部屋があるなら、そこに一都と二人で入っていたい。
叶う事なら、一都を所有し続けたい……。
そんな感情が、俺の頭ん中でぐるぐると回り続ける。
こうなると、俺は予想外にも執着心の強い、生き物だったようだ。
「コウ……手、繋いで寝ていい?」
「あぁ、いいぜ。なんなら……ぐっすりと寝れるよう、もう一回さっきのイイコトしてやろうか?」
「……ばか。それはしなくていい」
「あーあ、折角優しくして、ドロドロに蕩けさせてやろうと思ったのに……」
「だから、それはいいって!」
「プッ……。んな必死んなるなよ。からかっただけだろ? じゃあ……もっとこっちこいよ」
「うん……」
だから俺は、もう二度と一都を手放す事は出来ないだろう。
一都は一生――俺のもんだ。
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