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明菜自身、別れた事を公にしてないようだし、俺も自らは口にしないタイプなので、こうして聞かれるまで、何も言ってない。
「何だ、それ? あー、勿体無い。水谷さん、あんなに可愛いのに……」
「確かに、可愛いと思うけど……気持ちがなかったら、しょうがないだろ」
明菜には悪いけど、俺は最初から一都しか見てなかったし……。
「あ、そういえば……水谷さんのお兄さんも、綺麗な顔してるらしいじゃん。弘平は、会った?」
「あぁ?」
それまで、無表情に近い顔で接していた俺が、そいつの言葉を聞いて……急に険しい顔つきになった。
何でお前が、一都の事を知ってんだ。
「えっ、何で弘平が怒ってんの? あれ、もしかして……仲が悪かったとか?」
「……別に。けど、なんでお前がそんな事、知ってんだ?」
怒ってると言われて否定はしたが、本当はすっげぇ腹が立った。
俺以外が、一都の事を知ってると思うと、ムカムカする。
一都は、俺だけのもんなのに……。
「あ、いや……違うクラスの奴で、水谷さんのお兄さん見た事ある奴が、綺麗だって言ってたのを聞いたんだ。だから、本当かと思って……」
「そっ……。別に、どってことねぇよ。第一、男だし」
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