唯一の執着

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   「そ、そうか。そ、そうだよなー。変な事聞いたな。じゃ、またな」 「おお」 至極、興味が無さそうに言ったけれど……内心では、『これ以上一都の事を調べんじゃねぇ』と思っていた。 その、無言の迫力がそいつに伝わったみたいで、どもりながら、もう一人の奴と二人で、俺から離れて行った。 「くっ……あー、ダメだ。凄い笑える! ぶっ……はははは」 「何だよ」 去っていった奴等を暫く見ていたら、急に背後から柳井が笑い出した。 一体、今度は何だ? つくづく気の悪い奴だな。 「あー、俺。弘平の新恋人、誰か分かっちゃったよ」 「はぁ?」 何だ、こいつ……いきなりそれか。俺、何かタブーでも言ったか? 「もー、弘平って分かり易すぎ! 相当大事なんだね。けど、もっと対応考えないと……皆があれで通じるとは思えないぜ」 「なっ……お前、何で」 何でこいつは、分かったんだ? それとも、また鎌を掛けられてるのか? 「だって……弘平、ある話題だされた瞬間、急に顔つき変わってるし。直ぐ分かるよ。しっかし、お前があんな反応するとはねー。へぇ~、ほぉ~」 「柳井……」 一通り笑った後、柳井が俺を観察する様に、興味津々の目つきで見られた。
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