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どんなに足掻いても結局ハタさんの『特別』にはなれなくて、ハタさんの煙草の銘柄は自力で探し当てるしかないんだ。
どこまでも私の一方通行。
さっき飲んだコーヒーの苦味が、今さら私の口内にじわりじわりと広がり始める。
「ここまでで大丈夫です。私の家、すぐそこなので。」
「は、ちょっ…」
「さようなら。」
ハタさんの顔を見ないで、走り出す。
雪に足をとられそうになるけど、もう不格好でも何でもいい。
一刻も早くこの場を去りたかった。
さっきまで重なっていたはずの2人分の足音は、どんなに速く地面を蹴ったって、もう孤独な音に変わってしまっていて。飲みかけの缶は暗闇のどこかに落としてしまった。
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