3万円と、無愛想と無表情

3/3

81人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
「3万円なんて結構な大金、ネコババしようとか思わなかったんか?」 「この3万円をハタさんの指名料だと思えば安いものです。」 「交番をホストクラブみたいに言うな。」 ハタさんは気怠げに頬杖をついて、呆れた目をこちらに向けている。 …指名料は冗談として。 「ネコババなんて犯罪です。そんなの悪いことである以前に、日夜一生懸命働いているお巡りさんに失礼でしょう?」 ハタさんは微かに目を見開いて、そうか、と一言掠れた声で呟いた。 口元がどこか嬉しそうに歪んでいるのは、気のせいだろうか。 交番に3万円を届けたら、レアなハタさんを見られました。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

81人が本棚に入れています
本棚に追加