第13章 心の声

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◇◇◇ 「ん……んん……はぁ……」 身体が自棄に重く、そして気だるく感じながら目が覚めた。 気づいたら唸り声を発していて、何となく風邪を引いてしまったのではないかと気付く。 ベッド脇にあるチェストの上にある体温計に手を伸ばして計って見ると、 「ええっ!」 吃驚しすぎて大きな声をあげてしまった。 そこに表示されていた数字は“38.6”。 思った以上の高熱に、さらに身体が脱力する。 昨日、シャワーを浴びたあとも身体が冷えたままだったからだ。 髪も乾かさずに寝てしまったからだ。 自分の健康管理すらできないことに、深い溜め息が出た。
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