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小さく息を吐きながらキッチンへのドアを開けた。
「あれ? 彩葉起きたのか?」
「きゃー!」
誰もいないと思っていたのに、声をかけられたから吃驚しすぎて大きな声が出る。
しかもそのまま床に尻餅をついてしまった。
「ごめん、吃驚させた?」
ばくばくと激しく動く心臓を治めるようにその辺りの服をぎゅっと掴むあたしに、ゆっくりと歩み寄ってきたのは……。
「じ、仁っ……」
「大丈夫か?」
ぺたりと座り込んでいるあたしの傍に来た仁は、大きな掌で頬を覆ってきた。
「なっ! なっ! なっ!」
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