第13章 心の声

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何でここにいるの? とか、何でこんな風に触るの? とか、色々訊きたいことがあったけれど、それが言葉になることはなくて。 そんなあたしに、仁はぷっと吹き出した。 「おまえ、テンパりすぎ」 「だ、だって……!」 いまだにくすくすと笑っている仁は、あたしの顔を覗き込んできた。 「まだ熱は高そうだな」 そう言いながら、頬に添えた手を引っ込める。 「粥食える?」 「え」 「え、じゃねーの。薬飲まなきゃよくなんねーだろ? だから、粥食える?」 「う、うん」
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