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だってそんなことをしたら、仁に期待を持たせてしまう気がしたから。
あたしの想いが凪さんに届くことはなくても、あたしは仁の気持ちに応えることはきっと……ううん、絶対にないんだから。
「まあ、とりあえず寝ろ。んで、早く良くなれよな」
仁はそう言いながらあたしの髪をそっと撫でてくる。
けれどあたしは、「うん」と答えながらもその手から逃げるように寝返りをうって、仁に背中を向ける。
そしてゆっくりと瞼を閉じた。
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