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そう思ったけれど、視界の隅で何かが動いたのを感じて視線を向けると、壁にもたれて座りながら眠っている仁がいた。
部屋はひんやりとしているのに、何も掛けていないのを見て、今度は仁が風邪を引いてしまうのではないかと思ってしまう。
あたしが掛けていた毛布を慌てて仁に掛けてあげる。
その瞬間、ぱっと腕を掴まれた。
「ひゃっ!」
眠たそうに開けられた瞳がじっと見つめてくる。
「……仁?」
あたしがそう声をかけると、はっと我に返ったようにあたしの手を離した。
「わり、寝惚けてた」
「……うん」
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