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三月に入ったとはいえ、まだまだ冬の気配が残っているせいで、バスルームはさらにひんやりとしている。
いつもならバスタブにお湯をためてから入るんだけれど、今はすぐに熱いシャワーを浴びたかった。
瞳からこぼれ落ちる熱い雫を消すように頭から浴び続けるけれど、全然消えてはくれなくて。
そりゃそうだ。
凪さんへの想いが心に強く残っているんだから、こんな風に熱いお湯を浴びたからといって、すぐに涙が止まってくれるわけがない。
そう結論が出ると、ふっと身体の力が抜ける。
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