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だめだ。
僕だって、酔ってる。
思考がおかしい。
先輩はそんなこと望んでいるわけないだろ!
理性はそう言っているのに、頭の半分は違うことを考えている。
これはチャンスじゃないのか?
このまま行くべきなんじゃ……?
僕が目を合わせても、先輩はその視線を逸らさない。
いつもより少しまどろんだ大きめの瞳、
筋の通った鼻、
薄い上唇、
対してぷっくりとした細い下唇、
いつもより少しグロスが落ちているが、完璧な先輩が、僕のために作ってくれたわずかな隙のようで、逆にそそる。
あと一歩、いやもう一歩と近づく。
それでも、先輩は動かない。
イケる。
と思ったところで、先輩の口角が上がった。
(※[41])
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