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突然だが、俺には人に言えない趣味がある。
俺の名は熊谷好太郎【くまがや・こうたろう】。
――とある証券会社に勤める何処にでも居る、ただのサラリーマンだ。
だが、人には言えない趣味....それに関しては不本意ながら、特殊だと言わざる得ない。
その趣味とは恐らく世界人口全体の90%以上の人々が忌み嫌う類いのものであろうから――。
故に俺は、それを秘密にしてきたのだ。
目立つ生き方をしたくなかったが故に――。
しかし、俺の趣味はイバラの道....。
俺とて本当なら、この様な趣味を持つ予定ではなかった。
だが恐らく、それは避けられない運命だったのだろう。
そう....あれは運命だったのだ....。
今にしてみれば、そう思う。
俺が、超カレー好きになったのも、その時からだ。
まぁ、恐らく読者の方々には何のこっちゃ?――としか思えぬ事だろうが....。
なので順を追って話すとしよう。
俺がこうなったのは、俺が小学生の頃の体験に起因する。
その切っ掛けとは、俺が小学生の頃にあった....ある誘拐事件だ。
今から大体、16年前の事である。
当時、俺はまだ10歳であった。
そして誘拐されたのは、うちの小学校の女子。
清楚で可愛い、良い所の令嬢、頭も良く運動神経も良い。
誘拐されたのは、そんな良い所取りの天が、二物以上与えた....そんな女の子。
彼女は明らかに俺とは、接点の無い人種であろう。
だが、俺は成り行きで彼女を発見する事になった。
彼女を発見した場所は、たまに休みの時に俺が秘密基地にしていた廃屋。
そこは、彼女が誘拐される数日前から、売り地の看板が立っており、立ち入り禁止になっていた。
だから俺は、立ち入りしないでいたのだが彼女が誘拐されてから数日後――。
俺は我慢出来なくなり、その廃屋へと立ち入った。
その日は日曜日。
コッソリ ならバレない筈――。
そう思い俺は廃屋へと忍び込む。
案の定、そこには誰も居なかった。
だが、それは飽くまでも自由に歩き回っている人間はと言う意味である。
拘束されている人間は居た。
誘拐された少女。
秋本優香里【あきもと・ゆかり】が。
彼女は下着を剥ぎ取られた状態で、縛られていた。
そして、猿ぐつわも――。
理由は恐らく、トイレに対する対処故にだろう。
そこには昔馴染みのオマルが、備え付けられていたのである。
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