ラスト・カレーデー

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秀逸しか言い様のない逸品だ。 何より牛骨から出汁をとった濃厚ビーフカレーは、正に至高と言えよう。 何せ、その超癖のある香りとゴテッとした舌触りは、あの日の彼女の“モノを”彷彿させる逸品だからである。 故に俺はカレーを好んで食べていたのだ。 そして、俺が毎日、旨そうにカレーを食べる姿を見て会社の者達は俺の事を、こう呼んだのである。 カレーの王者・熊と――。 だが、俺が何故カレーを好むのかを知らないだけに、その者達は幸せであろう。 恐らく彼等は、俺が無類のカレー好きであるとの認識しかない筈なのだから....。 もし真実を知られてしまったら、どうなるのだろうか? 俺は密かに、そんなスリルに身を震わせながら何事も無いかの様に、同僚達と接していたのである。 内心ハラハラしながら....。 だが、そんな日々を過ごす俺にも遂に運命の日が訪れる....。 余りにも他愛もない、切っ掛けにより俺の秘密が明かされる事となったのだ。 そう....遂に俺の秘されざる隠し事が、明らかとなる日が訪れてしまったのである。 因みに読者の方には、俺がどのぐらいヘビーなスカトロ・マニアなのかが想像出来ないいう人も居ると思うので、念の為に細かい説明をしておこう。 実の所、俺はスカトロ系の国内No.1サイト、アナルズ・タワーの正規会員なのだが....。 俺の投稿内容の過激さ故か俺は、他のメンバーから、尊敬と畏怖の念を込めて糞王と呼ばれていた。 何故、そう呼ばれるようになったのかと言えば、これは推測でしかないが俺のハンネが熊黄【くまおう】だからであろう。 まぁ、クマオウに準えてスカトロ・マニアの王者の意を込め糞王と、呼んでいるのだと思われる。 第2に俺の排泄物への他を凌ぐ愛情が、それを言わしめているのかも知れない。 何せ俺の排泄物への愛情は、ゾンビ映画のゾンビの如く、食と言う形なのだから。 故に俺は思う。 飽くまでも、これは俺の勝手な推測に過ぎないのだが多分、ゾンビの捕食行動は愛情の究極の形なのだ。 それはゾンビ映画を見てれば良く分かる。 ぶっちゃけ、ゾンビなんぞ人を食っても食わなくても死ぬ事はないし、何より食おうが食うまいが腐敗の云々には一切、関係がないのである。 では何故、それでも人を襲うのか? 理由は明確だ。
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