ラスト・カレーデー

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それが具体的にどういったものかと言うと、平たく言えばウン○カレーを作って食べたのである。 当然、俺である事がバレないようにクマもんのマスクを着用してだ。 しかし、その動画を投稿した直後から、サイト内のメンバー達から、クレイジー熊との俺に対して一目を置いたコメントが無数に飛び交い俺は、このサイトの王に祭り上げられたのである。 ただ1つ誤算だったのは、その動画が何故かサイト外に流れ出てしまった事。 俺の知らない内に、恐らくサイトのメンバーの誰かが面白がってアップしたのだろう。 何はともあれ、それが俺の真の姿であった。 そして、これらの事柄が1つに集約され、ある悲劇をもたらす。 その悲劇の引き金は、ある盗撮野郎の出現により....もたらされたのだ。 その男の出現こそが、俺の運命を大きく狂わせたのである。 ――大災害――。 その日の事を表現するには、その言葉こそが一番シックリとくる言葉。 そう........ヤツさえ現れなければ俺の平穏は、失われる事はなかったのだ。 だが、それは突如としてもたらされる。 事の始まりは一人の女子社員が、女子トイレに仕掛けられた盗撮用カメラを、上司の元に持ってきた事――。 その瞬間から全てが、動き出したのである。 彼女はボールペンのキャップにも満たない小型のカメラを、係長である俺の元に持ってきた。 何故、それを俺の元に持ってきたのかと言えば、制服のスカートに引っ掛かって取れてしまったから――。 そう言う話だった。 つまり彼女は、それをウォッシュレットの部品だと認識していたのである。 そして、それに気付かなかったと言う点では俺も同様だった。 それ故、部品を確認後、修理業者へと即座に連絡を取った訳だが....。 業者の人が来て早々の一言がこれだった。 「これウォッシュレットの部品じゃないですよ? いや、そもそもこのタイプのトイレに、こんな部品はついて無いですから――。 あれ? 何だ....これ、カメラっぽいな!?」 「えっ....!? カメラ――!??」 俺は、そんな一言を聞き酷く動揺した。 何故なら俺以外の人間で、身近に特殊な趣味を持った者がいる可能性が、あったからである。 “俺が身近な者”と断じれたのは何故かと言えば、答えはシンプル――。
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