ラスト・カレーデー

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社内は24時間体制で、監視されているからだ。 そして、それを監視カメラで監視しているのが、社内警備をしている警備員と言う訳である。 つまり、警備員以外に犯人は考えられなかったのだ。 犯人の手掛かりがある以上、犯人を見つけ出すのは容易い。 ただ1つ気掛かりな事がある。 それは盗撮の中身。 これを仕掛けたヤツは一体、何を求めて盗撮に至ったのだろうか? 俺は、その事が気になり盗撮用カメラのデータを見てみる事にした。 当然、プライバシー等の問題があるので、正直には報告せず....。 俺は上司に盗撮用カメラが仕掛けられていたが、カメラ自体は壊れており機能していなかったと嘘の報告をした。 そうしなければ何が映っているかを、確認出来なかったからである。 そして俺は直属の上司である日山【ひやま 】課長に、当たり障りの無い状況と自分の考えを報告し、張り込みの許可を取った。 会社側でも、この様な不祥事を表沙汰にはしたくないらしく、上役達はすんなりと首を縦に振ってくれた訳だが....。 俺に与えられた時間は、僅か3日間であった。 正直、犯人が誰かまでは見当がついている訳ではない。 だが、それが警備の者である事だけは確信があった。 後は何時、勤務してる者であるかを突き止めるだけだったのである。 (まぁ、その前に中身を見ておこう――。) 俺は、そんな思いから帰宅後、コッソリと盗撮内容を確認した訳だが....。 「な........何て事だ!?」 その中身を見て俺は、思わず驚愕した。 何故なら、その映像の中身は大便排出のみに絞られていたからである。 そう....それは通常では有り得ない事だった。 何故なら女子トイレに限り、このタイプのトイレは通常、大便のみの使用される訳ではないからである。 つまり、これを仕掛けたヤツは大便排出時のみにカメラが作動するようにしていた事なのだ。 そして、そんな事をする理由はただ1つであろう....。 その理由とは、つまり――。 (排泄物に、こよなく愛してるが故にか!) それしか考えられなかった。 が....俺に、それを確信足らしめたモノは他にもある。 それは――。 ――この盗撮をした者からは、同類の匂いが感じられると言う事―― そう........俺の直感がヤツを同志だと言っているのだ。 (マジか....マジなのか!??)
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