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俺が、ずっと探し求めていた同志――。
それはあのスカトロ・マニアのサイトですら、巡り会えなかった心を共にできる真のスカトロ・マニア....。
遂に会えるのだ俺は....真に同志と呼べる者に――。
(ふふふふふ........待っていろ同志よ――。
この俺が同志たる君を必ずや、もてなそうぞ!)
俺はカレーに秘密のスパイスを投入しながら、思わず微笑んだ。
そして、運命の日――――。
――――――
――――
――
「うへへへぇ........興奮しちまったぜ、おぃ。」
薄暗い部屋の中で座しながら、無数の監視カメラの映像が映し出される中、男が備え付けのPCのモニターを見詰めながら、独り言を呟く。
そんな中、僅かに聞こえる音が1つ。
言うまでも無く、それは盗撮対象者が脱糞する音だ。
そして男は、不意に呟く。
「やべぇ....仕事中に、立っちまったよ――。
どーすっかな~、スッキリしちゃおうかな~?」
誰も居ないと思ってか結構、大きな声での呟き。
(ふっ....隙だらけだぞ、同志よ?)
俺は、そっと近付き彼の後ろに立つと静かに声をかけた。
「なるほど....これは確かにグッとくる映像ですね?」
「――!!? だっ....誰だ!!??」
彼は慌てて、俺の方へと振り向く。
「俺ですよ、佐々川【ささがわ】主任。
やはり貴方でしたね犯人は――。」
「あ....あんたは――確か熊谷係長....??
でも何でアンタが!?」
「ふっ....答えは簡単ですよ。
俺が盗撮犯を捜す命を受けたからです。
そして、俺の予想通り佐々川主任....貴方が犯人だった。
まぁ....実の所、候補者はもう一人いたんですけどね?」
佐々川主任は、そんな俺の言葉に青い顔をしながら言う。
「た....頼む、警察だけは勘弁してくれ....。」
「安心してください。
会社側も今回の事は、表沙汰にはする気はないみたいですから。
ただ、恐らく解雇だけは免れないでしょうが....?」
「そ....そうか........分かった。
こんなにも会社に尽くしてきた俺を、たかだか趣味1つ程度で解雇か....。
全く、ふざけた話だ――。
ふっ....ふふふ、なら今日で見納めだ....。
折角だから、あんたも見ていけよ?」
佐々川主任は30代半ばの身を、震わせながら投げ遣り気味に、俺に言った。
そして、俺と佐々川主任は静かに盗撮映像を鑑賞し続ける。
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