ラスト・カレーデー

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それから一時間程が経ったろうか? 俺は素晴らしい映像の数々に、思わず酔いしれていた。 (素晴らしい........。) 可愛らしいお尻から捻り出される排泄物の競演――。 心とろかす、排出のメロディ――。 そして、最後には例の映像があった。 俺の投稿映像――。 つまり、大便カレーの映像である。 「どうだい....凄いだろう? まぁ、こんな事、ノーマルなアンタに言っても分からんだろうけどな....。」  「いや........そうでも無いですよ佐々川主任。 素晴らしい....素晴らしい映像です。 だが、貴方はやり方を間違えてしまった....。 その情熱をもっと他の形に出来てさえいれば――。」 俺は、ため息をつきつつ佐々川主任を悲しげに見詰めた。 だが、それと同時に俺は確信したのである。 彼こそが俺を唯一、理解できる真の同志であると――。 「あんたに....あんたに何が分かるって言うんだ!?」 「分かるさ........俺も同類だからな....。」 そんな俺の言葉に、彼は疲れた表情を浮かべ笑いながら言った。 「ふっ........分かってるって....。 慰めてくれているんだろ? アンタ優しいな?」 だが、俺は彼に微笑みかけながら言葉を返す。 「いいえ、違いますね....。 俺は貴方に一目置いているのですよ、佐々川主任――。」 そして、俺はその手に持った簡易容器を佐々川主任の目前に置いた。 「な........? なんの真似だ....!?」 「佐々川主任の晩餐ですよ――。 この会社を、去られる佐々川主任の為のね――。」 「そ....そうか、有り難う....。」 佐々川主任は俺に、そう礼を言うとタッパーの蓋を開ける。 しかし....。 「うぉ――!?? な、なんだ....この異臭は――。」 「何って....決まっているじゃないですか。 我々の絆の証ですよ、佐々川主任――。 そう我々、スカトロ・マニアの為のスカトロ・カレーです。」 「な....なんだと....?? ま、まさか....まさか....この中に入っているのは....?」 「えぇ....そう御察しの通りです。 中にタップリと入れてありますとも、美しき令嬢達の極上のウ○コをね....。 さあ、お食べ下さい....さ・さ・が・わ・しゅ・に・ん・・・。」 俺は爽やかに微笑みながら、佐々川主任にスプーンによる最初の一口を差し出した。 ―――――― ―――― ――
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