86人が本棚に入れています
本棚に追加
「えー?目?合ったかな?ごめーん前髪の所為で前が見えないからわからなかったなぁwww」
左上に広がる空を見ながら答える。
あー、また怒鳴られるのかね。めんどくせぇ…。まぁ、態度正せば良いだけなんだろうけど…。
「いや、そう思うなら前髪切れよ…」
ちょっと呆れたように返された答を紡ぐ声に、怒っていそうな様子は見られない。
おや?銀髪、もしかして不良ってわけでもない?
「切る時間が勿体無いなってさwww」
「前が見えないことで、日常生活のなかで無駄にする時間よりは無駄じゃないんじゃないか?てか、視界悪いと危ないぞ。冗談抜きで」
ハイ、ごもっとも。
正論いただきましたー!!
「うん、銀髪くん鋭いね。実に鋭いwww
てか銀髪…お前、良い奴だな。」
こんな態度悪いやつの心配とかちょっと人の良さがマザーテレサ級?それは言い過ぎか。
「……なんか、お前、変なやつだな…。」
「んな!?失敬なwww俺はいつでも常識人だぞwww」
「見た目、その…ガリb…真面目…大人しそうなのに、俺が怖くないのか?」
え、めっちゃ優しい。ガリ勉から大人しそうまでのマイルドチェンジに不覚にもときめいた。
「こわいとかwwwだって銀髪くん優しいじゃんwwwえ、なに、もしかして怖がって欲しいの?wwwならいくらでも怖がるよwwwあ、でもやっぱなしで。めんどいわwww」
あ、あれ何の鳥だろ。山奥ってだけあって、知らない鳥がちらほら。
え、なんの話かって?俺はまだ左上にある空をみたままなんだわ。
なんか、シュール。
背中に語りかける不良(もどき)と、背中で語るガリ勉メガネ。あれ、なんか違う?
最初のコメントを投稿しよう!