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「え?舐めるわけないじゃん?きたないなぁ」
「そのなめるじゃねぇよ!!!!」
「じゃあ、なんで俺怒られてんの?ちゃんと謝ったよ?www」
「ふざけてるだろあんなもん!!!!誠意をみせろや!!!!!」
「誠意?例えば?」
「治療費よこせやコラァアアアァァ」
「学校での怪我だから、頑張れば労災もらえるって」
「そういう話してるんじゃねぇんだよぉおおおおお!!!!!!!」
「元気だねぇ…そんな全力で叫んでて疲れない?」
「テメェの所為だろボケェエエエエ!!!」
堪らず廊下の壁を殴るミッツー。
それを見て思わず笑みがこぼれる。
「なに笑ってんだよ!」
苛立ちがおさえられなかったのか、ミッツーに加勢してくる取り巻きくん。
でもねぇ。
「良かった。腕、大丈夫そうだね」
ニッコリ。自分の中で出来る限り口角をあげて、とどめの一言。
一気に真っ青になるミッツー。
怪我が嘘だなんてバレバレだけど、あえて証拠をだされたりなんかすると、惨めなことこの上もない。
また、この一言が、静まり返ってた廊下にはひびくんだわ、これが。
いやぁ、爽快。
根暗そうなメガネ野郎が、弱気だなんて決め付け、よくないと思うんだわ、やっぱ。
見えてるかは果たして疑問だが、長い前髪の下で、目を細めずにはいられない。
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