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どうやら寝ているらしい銀髪をおこさないよう、慎重に椅子を引き、慎重に座る。
起きるな…起きるな…
このままおきるなよ…?
なんて、俺の願いも虚しく。
キーンコーンカーンコーンなんて、間の抜けた、しかしそこそこの音量のチャイムは、銀髪を起こすのには十分だった。
むくり、と起き上がる銀髪くん。
ぱちり、なんてオノマトペがぴったりな位にがっちりと目が会いました。
さて、どうするよ俺。
とりあえず、目線をそらす。
不良だって、滅多なことをしなけりゃ、なにもないだろう。きっとそうだ。
関わって来ることもないはず。
しかし、現実はそううまくはいってくれないものだ。
「オイ」
あー今日はいい天気ダナァ
桜も満開。洗濯日和。シーツでも洗おうか。
俺の席は、窓際の一番後ろ。
よって俺の左にあるのは窓だったりするため、そんな風に窓から伺える春日和に癒されそうと必死に現実逃避するしかない。
それしかできない。
「おい、お前だよ、メガネ。目あったくせに無視かよ」
あぁ、ツライ。
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