クズ系男子(?)in王道学園

さてさて、高校入学です。

ウワァアアアアア！！！！
キャァァアアアァアア！！！！
体育館に轟く歓声なんだか、叫び声なんだかわからない声に、可哀想な俺の鼓膜は縮みあがった。本当可哀想。
しかし、なんとまぁ皆さん元気のよろしいことで。
音域的にも音量的にもマイ鼓膜にはキャパオーバー。
そのせいで、俺の鼓膜にはそれこそ膜が張ったかのような、もやんもやんとこもった音しか聞こえない。すげぇ不愉快。
なんだこの学校。
なんだこの入学式。
それとも、俺が世間知らずなだけで、世間一般の高校ではこれが普通なのか。
脳内がプチパニックだ。
なんなんだ、どうしたんだ、一体。
頭がついていかない。
いや、なにも、最初からこんなにキャーキャーワーワー猿山の猿みたいにさわいでたわけではないのだ。
むしろ、ごくごく普通に理事長(しかしイケメンである)が挨拶し、新入生の答辞やら、学校での諸注意、禁則事項などの紹介が行われていた。
なぜこんなことになったかというと…
「静粛に。」
そう、この声の持ち主達が原因だったりする。