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さて、生徒会長が静粛にと言っただけで静まり返った講堂内。
黙れるなら最初から黙っとけよ、猿どもめ。
なんて、面倒なことはごめんなので脳内だけでいきがってみる。
一瞬にして講堂の空気が会長に掌握されてしまうのを見れば、生徒会長のカリスマ性がいやでもわかる。
いやー、おみごと。すごい。俺にはできないわ。
したくもないけどなwww
「入学式で気持ちが高ぶるのはわかるが、叫ぶのはTPOをわきまえてからにしろ。数人いる外部生達が可哀想だ。」
低く、耳に優しい、でもどこか威圧感を含む声が語りかける。声までイケメンかよ。
近くで、はうぅ、なんて悶えるような声多数。なにその女子力www
しかし、思いのほかフランクな挨拶だ。
やはり、幼稚舎からの付き合いともなれば、学年の差はあるものの、ある程度気のおけない感じになるものなのだろうか。
会長様(周りのやつがいってたwww様てwwwwww)の話からわかる通り、ここに高校から入ってくる、いわゆる『外部生』は少ない。この学園は基本的に幼稚舎から大学までエスカレーター式で、高校に上がる時と、大学に上がる時に編入試験に合格すれば、入学することができる。
しかし、この学園、猿山のくせして、偏差値のばか高い進学校なのである。
それゆえ、外部生はいわゆる内部生への刺激みたいなもんで、特に成績優秀な生徒だけ、かなりの好待遇で受け入れるって感じだ。
好待遇とは、寮が1人部屋、授業料無料、食堂使い放題、などなど。
だからここは、山奥の全寮制男子校、なんて閉鎖的な空間であるにも関わらず、ここの受験希望者は多い。
採用人数1桁に対して、入学希望者は、まず3桁はくだらないだろう。
俺も実はその1人だったりする。
昔から容量だけは無駄によかったもんでな。
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