第1章

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「私だって悲しみます! 本気で怒りますよ!」  すでに本気で怒っていた。 「とりあえず、警察と救急車ですね」  そう言うと四季さんが慌てて携帯を取りに行って電話をかける。その間に店内を見渡すあちこちガラスが飛び散っていて随分酷い有様だった。 「これを見たらゆかりは悲しむだろうな」  いや、俺の怪我を見て心配するのだろうか。 「お父さん。今、救急車と警察に通報したので横になって待っててください」  ふと、違和感を覚えて思わず口に出していた。 「お父さん?」  今まで四季さんは俺の事を名前で呼んでいたはずだ。 「何か問題があるんですか?」  四季さんは恥ずかしかったのかそっぽを向いて答えた。 「いや、問題ないですよ。四季」  俺が言うと四季はさらに恥ずかしくなったのか俺の肩を思い切り叩いた。
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