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4つの大陸から構成される世界。
その中の一つであり、最も自然に満ち溢れた大陸が、ここ《ティルメリア》である。
大陸と呼ぶに相応しいだけの面積を持ちながら、そこに暮らす人々の総数は凡そ1万人足らず。
ポツポツと点在する村々を除けば、あとは色とりどりの花や緑が見渡す限りに広がっている。
そんな大陸の一角に佇む、通称
「ゆめりぎ」
と呼ばれる大木の下に、この二人の少女は佇んでいた。
二人とも、年の頃はまだ10代半ばから後半という所だろう。
だが、性別、そしてその年齢に明らかにそぐわないものを、二人は所持していた。
「花の乙女がこんなゴツいもの持たされてさ・・」
そう言って若干おぼつかない手つきで握り込むのは、三ツ又の長槍。
一方のカカオは、身の丈を超えるほどの大剣を手にしている。
「(はぁ・・こんなんじゃ、誰もお嫁に貰ってくれないよ・・)」
眩しい陽の光と反比例するような自分の将来に想いを馳せ、少女は再び大きなため息を吐いた。
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