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モカと同じ栗色の、腰まで伸びる艶やかな長髪。
憂いを込めたような、やや目尻が下がったスミレ色の瞳。
思わず守ってあげたくなるような華奢な容姿でありながら、一部だけはダイナマイトな、ファンキーボディ。
その存在全てが男たちを魅了する要素となって輝きを放つ姉だったが
「ギャップがスゴいからなぁ・・」
とモカが思う通り、実際は頭脳明晰、剣術に至っては大の男たちが束になっても敵わない・・という女傑だった。
カカオ本人は
「ティルメリアのカスミ草」
という儚げな二つ名を浸透させようとしているが、実際は本人の努力も空しく
「ティルメリアの破壊王」
という二つ名の方が広く認知されてしまっている。
「・・それならいっそ、《ティルメリア・クラッシャー》の方が良かったわね」
とはため息まじりに姉が呟いたセリフだったが、
「(それじゃ、ティルメリアを破壊するみたいじゃない・・)」
と子供心にツッコミをいれたモカだった。
そんな姉と比較すると、自分は運動はできないし、頭の回転もイマイチだし、胸はまな板(ここ重要)だし、唯一姉に勝てたのは
「牛乳の早飲み」だけ。
我ながら目眩のしそうなプロフィールだったが、カカオはモカにとって自慢の姉であり、憧れであり・・
そして目標だった。
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