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「お聞かせ頂きたい。栄一さんを追い詰め、恋人の座を得ようと画策したストーカーさん」
はあ?
ふざけるなよ、お前
「宇津木さんに好意をもたれてるのはお前だろう」
カッとなったのは
『好き』
自分の想いを
他人に否定される辛さを
経験したから
ましてや
宇津木さんが好きなのは
コイツ!
椅子を蹴飛ばし
立ち上がった俺に
「違います!」
叫んだのは宇津木さん
「好きなのは桜田さんなんです!」
は?!
「心理カウンセラーを紹介しましょう。好きな人の心を傷付ける異常性愛の治療をした方がいいと思われますので」
「おい、言い過ぎだ」
顔を合わすたびに
『加齢臭がくさーい』
鼻を摘まんで
俺から距離を置く行動に
傷付いていたけど
だからって
女性を相手に
仕返しをする必要はない
「自分を褒め称えたいほど控え目な苦情を申し立てているつもりでしたが、ご不満がおありですか」
感情のない
梶川の声にぞくっと
寒気がした
「あなたの美しい瞳に翳りを作り、悲しみをたたえる横顔を眺め、唇を震わせ匂いを嗅がせまいと逃げる栄一さんの姿に俺が無関心だったとお思いなのでしたら、訂正して頂きたい」
ハッと見上げた梶川の
鋭い眼差しに
浮かんだ激しい怒り
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