266人が本棚に入れています
本棚に追加
『佐藤くんとなら話をしていいと、モデルの方からの申し出がありまして、我が社の評判もかかっておりますし、それならば頼むと、お願いした次第であります』
最後まで
聞き取った木山部長が
口を開いた
『事情は分かった。それで、お前は何をしてる』
『は? 何をって、仕事を』
『自分の部下の不手際を他部署に転がしたお前は、広報と営業が滞りなく仕事を進めるために、二つの部署をどう取り纏め、ホストの真似事をさせられている佐藤のフォローをしてるのか言ってみろ』
問いかけた数秒後
青ざめた表情で
立ち尽くすばかりの
広報部長に
見向きもしなくなり
席を外した
「それで? 上手くコトが運べたのか」
岩田に言うと
「部長だからな。失敗しねぇよ」
憧れに目を輝かせて
「SINOさんに広報部長代理と一緒に明後日、帰宅すると連絡があったらしいぜ」
胸を張り
大きく頷いた
「祝賀会? 変態のですか」
いや、変態っていうか
変態だけど
有能なデザイナーで
「友だちなんたよ、俺たちの。お前が一緒なら暸ちゃんも参加していいって部長に言われたし、な? 暸ちゃん」
頷いた暸ちゃんと二人
「お願い、真人くん」
手を合わせて
「頼む。一緒に食堂に行こう」
渋い表情の真人を
見上げた
最初のコメントを投稿しよう!