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水の入ったグラスが
乱暴な勢いで
左から右へと滑っていく
えー・・・・・・と
今のは何
グラスを渡すことに
どういった意味がある?
眉間に
深いシワを刻んだ真人に
目を向け
「勘違いするな」
ほんの少し
耳から浮かした手の平
「勘違い?」
「認めたわけじゃない。ただ、油断ならない友人を側に置いて暮らすことで、気を緩めずにいられると考えただけだ」
「お前、すげームカつく」
カチン
岩田が打ちつけたグラスを
乱暴に滑らせ
「現状維持だ。笑顔であり続ける限りはな」
受け止めた真人に
視線を向けた
「ご心配なさらずとも、目を奪われる美しい輝きは途切れることなく、永遠に光を放つと断言しておきましょう」
険悪さを消して
「マジ、うぜーお前」
軽口を
言い合う二人の優しさが
「失礼な反応ですね。俺は将来の展望をお伝えしただけだというのに」
真人の愛情が
胸の奥へ
じわじわと染み入ってくる
あ、ヤバい
鼻の奥がツンとして
滲む涙を
堪えきれそうにない
「桜田・・・・・・、コレで」
濡れた指の雫を
「汗、拭けよ」
汗として
拭き取ってくれた瞭ちゃん
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