第九章

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芸術的な筋肉の動きが こと細かに 目の裏に浮かんでくる 滑らかな肌 鼻腔を擽る男っぽい匂い 硬く 引き締まった腰 その下の 縮れた毛に覆われた欲望も 俺のより大きくて 何というか とにかく どぎまぎさせられる 「けどさ・・・・・・」 触れたい衝動に逆らわず 「お前、俺よりデカいし」 真人の肩に置いた手を 下へと 動かすにつれ 硬く膨らむ胸の筋肉 「交換できないだろう?」 ああ、ヤバい 体の奥で燃えあがった熱が 真人の 「・・・・・・拷問ですか、これ」 硬く張り詰めた欲望を求め 蠢き暴れだすのを 感じて ギリッ 奥歯を噛み締める真人から 手を離した 「まったく、無自覚の誘惑にも限度があるだろう」 腰に手をあて 天井を見上げた真人が ハッと 強く息を吐き出して 糞、やりてえ 唸るような声で 物騒な 呟きを低く漏らした いや、あの、その 獰猛な欲望を宿す眼に じっと 見つめられると バカ・・・・・・ 沈めようとした熱が 腹の中で 燃えたぎって困る 「場所に不満は残りますが」 ふわりと 肩にかけられた真人の上着
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