第九章

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「栄一」 ゾクリ 腰が震えるセクシーな 低い声に 「ふ・・・・・・、ん」 真人の肩に顔を埋め 荒い息を 吐く俺の内側が 長い指を絡め取り 咥え込む 「俺の余裕を奪ったこと、後悔しないで下さい」 ズリッと 強引に抜き出された指に 「しない・・・・・・っ、ん」 イッたばかりの欲望が 反応して カウパー液を滲ませながら 頭をもたげていく 獰猛に光る眼差しを過ぎる 迷いを 断ち切ってしまいたくて 「後悔なんかしない、から・・・・・・、真人を、俺にくれ」 全身の筋肉を張り詰め 荒い息を 吐き出す真人の唇を塞いだ 「あっ、 はっ、 くぅっ」 体を低くして 奥深くへと挿ってくる 真人の熱を 背中に 指がめり込みそうなほど しがみついて耐える 俺の 汗の滲む顔に 「栄一・・・・・・、愛しています、栄一」 優しい 口付けを繰り返す真人が 好きで堪らない 苦しい呼吸は 徐々に落ち着いていき ギュッと 強く閉じていたまぶたを 押し上げた俺に 気付いた真人の唇が緩んだ 「同じ景色を見てますね。栄一の煌めく星々より美しい瞳に、美しい人を手に入れた幸運に酔いしれる俺の顔が映っています」 胸が、キュン ときめく甘い笑みを 間近で 直視した俺の顔は だらしなく弛んでる 「俺も、お前ほど魅力的な男を手に入れた幸運に、感動してる」 ふっと 唇にかかる吐息を受け止め 「幸せにします。永遠に、後悔などさせない」 甘い囁きに頷いて 優しい 息づかいに身を任せた
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