第三章

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Yシャツを 洗濯機に放り込んだ梶川の 引き締まった肉体 肩と胸板は アメフト選手のように 分厚く 胴回りは細い 腰骨で履いたパンツが セクシーで 動くたびに 目のやり場に困ってしまう 「食器くらい片付ける。お前は休んでろ」 キッチンで水を流しつつ リビングを指したのに 梶川の息が うなじにかかるのを感じて 手にした 食器を落とさないよう 腹に力を入れた 「コーヒーと紅茶、お好きな食後の飲み物を選んで下さい」 う、こら 腰に置かれた両手が 徐々に 前へとずらされてくる 同時に うなじに触れた唇が 肩のくぼみに あてられたまま動かない 「ん、 汗かいたし・・・・・・、臭い から」 「セクシーな香りです。狂おしいほどの欲望を掻き立ててくる」 「でも・・・・・・」 「“でも”はいらない。栄一さんの香りに官能を揺さぶられる俺が証拠です。あなたの肌は蜜のように甘い」 「あ、」 ザラリと 湿り気を帯びた舌の感触に ぶるっと震えた 「好きです、栄一さん」 涙と同じ 少ししょっぱい味のする 梶川の舌に 舌を絡めながら 俺も・・・・・・、好き 逞しい胸に身を寄せた
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