第三章

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「切り込んで聞くけど」 薄茶色の 柔らかそうな前髪を 細い指で かき揚げた瞭ちゃんが 何を言うのか そわそわして 気分が落ち着かない 食堂のテーブルの下で 足を組み 足先を軽く揺らした 「進展があったりしたのかな? 真人くんと」 ぶくぶくぶく 俺がカニだったら確実に 口から 泡を吹いてるだろう 目の前で 弁当のシューマイを 食べながら 俺を見つめる瞭ちゃんの 綺麗な瞳に からかいの色はない 手の指を絡め合わせ 震えを 落ち着かせてから 口を開いた 「ど・・・・・・ っ  て」 「どうして気付いたのかって?」 コクコク 首を縦に振る俺に 「貴文さんに恋してるからだよ。だから、恋をしてる人の気持ちがうっすらとだけど分かる 好きなんだろうなぁ、って」 微笑んだ瞭ちゃんの 笑顔は とても綺麗で 愛情に満ち溢れていた 「・・・・・・ぅん」 好き 頷くだけで精一杯 綺麗でも 特別な格好よさもない 平凡なオッサンの 恥じらう姿を見て 『かわいい』 囁くのは アイツしかいない 俯いて 燃えるように熱い顔を 両手で覆った
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