第四章

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『婚約したんですって、パーティーで一目惚れした美しい年上の彼女と』 『・・・・・・年上の?』 『困った人ねぇ、加齢臭を漂わせるだけでなく頭の回転も悪いなんて救いようがないわぁ 王子はおじさんに近付く必要があったの 何でおじさんと撫子の仲が良いのか人類の謎、Y社の七不思議だけどぉ、撫子のご主人の友人で、葵さんとも付き合いのある美人と言えば一人しかいないでしょう』 息が苦しい ぐっと胸元のシャツを 掴んで 息を 吸い込んでいないことに 気付いた 『初めまして、企画に配属された梶川です』 どうして・・・・・・? 梶川を 横川さんに紹介したのは 俺 『へえ? 想像通りね。一癖ありそう』 くっと 口角をあげ笑う横川さんの 悪女の微笑から 梶川を 守ってやれるだろうか? 紹介した責任を感じて ドキドキしたのも 昨日のことのように 覚えてる 『ほらぁ、見て 《彼女と食事をしたかっただけなのに何を勘違いしたのか、自分を追いかけてくる上司のパワハラに困ってる 二日前の飲み会も最悪! 急に抱きついてきてキスされたのが許せない。彼女への裏切り行為に胸が苦しい》 薔薇と食事する王子の上司ってぇ、おじさんしかいないよね』
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