第四章

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「栄一さんに弟のようだと思われていたとしても、好きになる想いを止めることは出来ませんし、あなたを傷付ける連中と闘わず傍観者となる気もありません」 え? 不機嫌極まりない表情 怒りの 籠もった眼差し 迫力ある声のせいで 「あなたを失望させない男に成長してみせます。どうか、美しい瞳に俺を映して下さい」 気付くのが遅れた シンと静まった食堂内で 注目を 浴びていることに ・・・・・・・・・っ、バカ 『傍観者となる気はない』 俺を庇って 矢面に立った梶川に 驚愕と 好奇の視線が集中してる ・・・・・・っ、嫌だ コイツに 俺と同じ辛い思いを させたくない 何とかしたくて 梶川の 前に出ようとした俺の肩を 「桜田くん」 叩いたのは斎藤さん 目が合うと 緩く首を振った彼女に (言っても聞かないわ。諦めて守られておきなさい) 秘書課の応接室へ 招待された 「方法を間違えてしまったから信じられないだろうけど、遥香ちゃんは恋をした桜田くんを守りたかったの あの子の恋心だけは否定しないであげて?」 いやー、ちょっと 顔を 合わすたびに 臭~い ちりめんジワ 言われ続けたせいか 彼女の好意を 一ミクロンも感じ取れない ・・・・・・けど 早く 梶川のことを 相談したくて頷いた
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