第四章

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午後3時 『休憩しよう、桜田』 綺麗な笑みを浮かべ コーヒーカップを 置いてくれる 瞭ちゃんはいない 『瞭ちゃん! 瞭ちゃん!』 ガタガタ 全身を震わせ嘔吐する 瞭ちゃんを 『大丈夫だ。すぐに楽になる』 励まし続けた木山部長 ・・・・・・ハァ メニエール病の天敵は ストレス ひそひそ 会話する彼女たちの 蔑みの視線 『図々しい、鏡を見て出直せっての』 企画のみんなも 俺のこと笑ってるのかな 不安になって 瞭ちゃんを 避けたりしなければ 無理して 出社しなかったと思うと ズーンと 落ち込んでしまう 「栄一さん。木山さんは、瞭さんのことで他人が責任を感じることを嫌いますよ」 ・・・・・・・・・うわぁ 俺って現金 梶川の声に反応して カァァァァァ 顔が火照っていく 「うん   ・・・・・・分かってる」 瞭ちゃんが 発作を起こしたのは 俺のせい なんてことを 言おうものなら 『ぁあ? お前の存在が瞭の人生に影響を与えてると抜かすのか』 殺される 「では、笑っていて下さい。あなたには笑顔が似合います」 ああ、ヤバい 感情のない ぞっと寒気のする声を 耳にしたせいか
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