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高い塀の外の木の下で、ようやく再会した兄と妹は強く固く抱き合う。
はた目にはメディア越しでしかお目にかかれない女神のような美少女と、その熱狂的なファンの可愛らしい小中学生にしか見えないけれども。
ともあれ、朝早い少年院の裏門前での光景なんか、誰も目撃した者はいない。
本来、唯一目撃出来た年若い刑務官はその時分、電話対応に追われていた。
早朝かかってきた電話はどうやら間違いのようで、要領を得ない相手への対応に、社会人経験の少ない若者は手間取っていた。
一応、国家機関の窓口なのだもの、一般民間人に失礼があってはいけないし。
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