7.ママのお見合い

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     *  お見合いの場所は子供連れということもあり、ファミリーレストランの中では割と高級志向のロイヤルホームでという運びとなる。 木村恭平は写真の女が『すごくかわいい11才の息子』と自慢する子供にのみに期待して、そこで予想外の少年と出会ったのだ。 「――佐藤柚樹です、はじめまして」  予想外ではあったけれど、予想以上の驚くべき歓喜が木村の精神を一瞬にして支配した。 欠乏症に陥るほど彼の胸を恋焦がした張本人が、すぐ目の前に居るのだから。
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