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「木村恭平だよ・・・・・・いやぁボク、きちんとご挨拶ができて偉いねぇ」
木村も初対面のフリをして少年に応える、愛しの君が他人ごっこをしたいのならそれに合わせるべきだろう。
食事の間、込み上げる想いに眼尻を赤く染めて中年男は少年に熱い視線を注ぐ。
少年の隣に座る母親は、その熱い視線を自分に向けられたものだと勘違いしているようだ。
勘違いさせておけばいい、この一点において木村と柚樹の考えは完全一致していた。
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