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ココへ来たばかりの頃、サヤカは生傷の絶えない子だった。
ウリがバレてという訳では無かったけれど、彼女が通う中学校で凄惨なイジメを受けていたのだ。
西から傷の手当を受けながらも、サヤカは彼にイジメのことをコボしたり、泣いたり甘えたりする事は一度もなかった。
本能的に人の本質を見抜くというか、気持ちを許せないと判断した人間に彼女は自分の心を決して開かなかったのである。
自分の様な人間に対してその判断は正しいと、西自身も思う。
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